株式会社 山家工務店
株式会社 山家工務店
Interview
「最初は安心だけが目的だったのが、母が『毎日見ているだけで楽しみ』と、生活を楽しめるようになったのがとてもうれしいです」
と、お客さんが笑顔になることが、
わたしのよろこびです。
娘さん:
もともと、この家は、宮大工さんが作った建物でした。古い家ですし、何か補修になる場合に、補修が難しいのでどなたに頼んだらいいのかというのは常に頭にありました。
主人が建築関係で、山家さんにお世話になっていました。主人に話した時に、結構早い段階から、主人は「この家の補修ができるのは、多分、山家工務店の社長さんだけだよ」と言ってました。
だから、かなり早い段階から意識してました。地震とか本当に関係ない時から。
この家を造っていただいた大工さんが、90歳くらいまで現役でいらしたんですけど、亡くなって。息子さんは後を継がなかったので、「どうしよう」となった時に、そういう話はもうしていました。
地震が、去年の2月にありましたよね、あの時に、いよいよ「山家さんを紹介して」と主人に伝えました。
お母さん:
「壊れたらどうしよう」という感じで。今までの大工さんも亡くなってしまって。だから、ケイちゃん(娘さんのご主人)に、「どうしたらいいでしょうね?」と相談していたんです。
「お母さんが気に入る人だったら、山家さんだよ」と話してくれて。
娘さん:
技術面もあるんですけど、家に知らない方が入ってくるのは、大工さんであってもね。母しか住んでいないところなので、どんな人が来るのか気にする癖があって。それも含めて主人に相談していました。
娘さん:
初めは、作業着姿の方が来るんだとばかり思っていたんですね。そうしたら、ジャケット姿の紳士が入って来たので。びっくりしたよねぇ、お母さん。
お母さん:
おしゃれなね、バーバリーのバッグ持ってねぇ(笑)
娘さん:
入ってきて、すごく安心したのを覚えてます。大工さんというイメージではなく。建築士さんってイメージなのかな。
お帰りになった後、主人をすごく褒めました(笑)。「いい人紹介してくれた!そういうことか!」って(笑)。主人もご満悦だったよね(笑)
お母さん:
そうですね、笑顔がよかったですね。
お母さん:
2021年の地震で壊れて、半壊だったよね。「どうしょう…」と。家の中はひどかったね。
娘さん:
住んでいるのも、怖かったと思うんですけど。夜寝るときは、ここに母が一人になってしまうので、それがすごく怖くて。
まず何としても、母の命を守れる家にしないと、いうのはあったんですね。
どこが壊れているかわからなかったので、相談して進めようという感じでした。
お母さん:
気が動転していたから、わけわかんないこといっぱい言ってたよね(笑)
「外周りだけでいいわ」とか。どこを直したらいいかわからない、見当がつかなかった。心配でしたよね。心のダメージもね。
東日本大震災の時にも壊れて、屋根をその時に直したんです。市の査定をする建築士さんに来てもらって、「ここを壁にした方がいいですよ」と教えてもらいました。それだけは、覚えていたんです。
補強というか、そういうのをしないといけないと思っていました。
でも、どこをどうしたらいいかわからない。
それで、娘も心配してくれました。でも、やっぱりね、ケイちゃん(娘さんのご主人)がいるから。ありがたいですね。
娘さん:
ひと言で言うと、「次、地震が来たら、母の命が危ないな」と。真剣に考えました。
お母さん:
いつでも箪笥とかが倒れてきて、仏壇は出てくるし。倒れていないものはなかった。
砂埃も降って。天井とかも。
お母さん:
全然なかったです。
娘さん:
逆に、あれもこれもとお願いして削ったくらい。躊躇したことはなかったです。「お願いするのは、山家さんだ」と思っていたので。
お母さん:
本当に、山家さんに、わたしの家をお願いします、って感じでした(笑)
娘さん:
きっかけは主人の助言もあったんですけど。初めてお会いした時に、まず話をじっくり聞いてくれたっていうのはとても大きくて。本当にわけわかんない話を親身に聞いてくれて。的確に「これ、こうですね」とお話しいただいて。
お母さん:
もう、「やらないといけない」というのは先に立って。命が危ないわけですから。何も迷わないよね。
決め手は、やっぱり第一印象というか。
紳士的というのはありますね、知識が豊富というか、いろんなことに精通しているところが。わたしたちがわけのわからないようなことを話していても、頼りがいがある(笑)
娘さん:
あとは、本当に家に入ってこられても大丈夫、と思えたところですよね。
実は、私が高校生くらいの時、トイレを直した時に、ちょっとなんか「んん?!」という人が入ってこられて。そういうのがトラウマであって、どんな人が来るのかということが大きいですね。
紳士的な人が来てくれたのが良かったですね。
娘さん:
「そんな制度があるんだ」と思いました。
お母さん:
全くわからなかった。
娘さん:
主人も知らず。失礼ながら、「やろうとしたら、市を通さなくてもできるのに、わざわざ教えてくださるの?」と思いました。
しかも、市とのやり取りが、面倒くさかったと思うんですけど、それもやってくださったんです。すごくサポートしてくださいました。
お母さん:
市との間の手続きもあったんですけど、それもやってくれました。
娘さん:
山家さんはちがう町の方なので、本来ならやりづらいはずなんです。見ていてそうかなっていうのは感じました。
でも、母のために頑張ってくれました。
お母さん:
本当にありがたかったです。耐震診断があるとないとでは全然違いました。
娘さん:
最初は、構えていたところもあったんです。
ところが、他の会社さんだったら、ここまでやってくれないようなことをやってくれた。それで、一回目で、気持ちがほぐれました。
娘さん:
最初は、構えていたから書きました。変な人が来たら困るから。構える癖がついているので。すごい頼りになるおばあちゃんがいたんですけど、今は施設で暮らしているので。
お母さん:
私がこんなんですから(笑)。優柔不断で。昔はこうじゃなかったんですけど、ケイちゃん(娘さんのご主人)が来てからは安心しています。
気を張ることがなくなって。鎧兜を脱ぐことができて、安心しているんです。
娘さん:
「リフォームが楽しみ」と思えたのは、不思議ですよね。しかも補強工事でね。
お母さん:
初めは、本当に直すだけ、という感じだったんです。耐震補強でいいかなと思っていたんです。それが、次々と引き戸とか、すごく綺麗になって、家の調和が取れてくる感じになって。直すだけじゃなくてね。楽しかったですね。
娘さん:
所々で、「ここ暗くないですか?」とか言われて。廊下とか、照明器具がついてなかったんですよ。毎日住んでいたら、わからないんですよね。大工さんに言っていただいて。この照明も、良かったです。
お母さん:
最初は、耐震が目的だったんです。ところが、予算なんか関係なくなっちゃったね(笑)
見積は、普通の引き戸だったんですよ。建具屋さんが来て、写真を見せていただいて「これこれ!」って。
娘さん:
山家さんが、建具屋さんに「デザインしてみて」と言って、その場で、洋室や寝室の引き戸をスケッチしてくださいました。
お母さん:
和室も仏壇のある部屋も、最初はしない予定だったんです。壁は崩れていたけど。「今回はいいです」と断わったんです。ところが、娘に「なに言ってるの!」と言われて。
天井も壊れて、砂が降ってくるような感じだったんです。山家さんにも「それで大丈夫ですか?」みたいな感じで言われて。
娘さん:
初めは地震でショックを受けていて、地震のたびに毎回言っているんですけど、「今回は立ち直れないかもしれない」と。何回も。
でも、山家さんとお会いして、大工さんたちが来てくれて、だんだん笑顔が出てきたのが、印象的でした。
お母さん:
本当に直すだけ、耐震だけというつもりでしたが、嬉しかったですね。毎日眺めています。組子細工の引き戸がすごく嬉しくて(笑)
最初にお話しした時に「どんな感じにしたいですか?」と言われたんです。その時に娘が、「和モダン」といったんです。本当にその通りになりました。
娘さん:
なんか「山家マジック」って感じですよね(笑)
見学会に行った時も、山家さんは本当に相手の求めているイメージを、その家族の方に合った家を建ててくれる感じでした。暮らしが楽しくなる感じ。
最初は、安心だけが目的だったのが、母が「毎日見ているだけで楽しみ」と、生活を楽しめるようになったのが、とてもうれしいです。
お母さん:
朝が早い(笑)。時間がきっちり。
娘さん:
主人も職人で、ここまで早くはないんですけど、朝早い。
佐藤さんという職人さんがいらっしゃるんですが、主人が出ていくと、近くの駐車場で時間調整のために待っているみたい。あんまり早く来ても戸惑ってしまうから。本当はもっと早く来て、到着しているのに、他のところで待機していてというのは何回もお見かけしたそうです。
お母さん:
時間は本当にきっちりしていますもんね。帰りもだし朝もだし、一服もだし。
きっちり20分以内。
お母さん:
楽しかったね。お話をする感じではないんです。はじめは緊張してましたけど。
娘さん:
全然お話はしないけど、職人さん同士の掛け合いがすごく楽しそうですよ。
的確なのね、見ていて、すごく気持ちがいい。
お母さん:
チームワークがすごいんだと思います。信頼関係ができているんですね。
お母さん:
そのまんまでもいいいいと思っていたところまで、直してくださった。
娘さん:
住んでいるとマヒしてわからなくなっていたんです。「奥さん、気になりませんか?」って。昔はギシギシ鳴ってたんだけど、今はジャンプしても大丈夫。
お母さん:
廊下とかね、床下に入っての仕事だから。大変だと思いました。
娘さん:
全体的な印象としては、市役所の耐震診断のサポートのことも含めてですが。失礼ながら「人に厳しいけど、自分にはもっと厳しい」方だと思いました。
それで、職人さんたちからすごく信頼されているというのがわかりました。
職人さんたちが作業していると、木くずが出るじゃないですか?それを黙って掃いているのを見たりすると、わかるんですよね。
職人さんにも厳しいんですけど、自分にはもっと厳しいから、優しさの器が大きいんです。厳しくても、職人さんたちにすごく信頼されているのがわかって。
お母さん:
完成の時も、山家さんが掃除機をかけてくださって。「大丈夫ですか?」と、こっちがびっくりしました。そんな人いないと思います。「え、とんでもない!」と思って。
娘さん:
だからピリッと、会社としてやっているんだろうなっていうのはすごく感じました。職人さんたちも個性強めな感じがして(笑)
主人も言っていたんです。「独立してどこで働いてもおかしくない腕をもっている職人さんたちだけど、山家さんのところでやっているというのはすごい信頼があって、やっているのかな」、「山家さんが好きだからやっているのかな」って。
お母さん:
本当にそうだよね。
娘さん:
いい意味で緊張感があるんです。山家さんが帰ると職人さんたちがしゃべり始めるんです。パリッと緊張する雰囲気が。そういう人が好きなんです。
お母さん:
山家さんは、職人さんたちと良いバランスですよね。大事ですよね。
娘さん:
緊張感が持てる人はすごくいいと思っていて、適度な距離感というか、美しい距離感を取っている人だと思いました。悪いことじゃないよね。
お母さん:
山家さんと出会えたことですよね。出会えなかったら、こういう風な完成にはならなかった。全部調和がとれている感じで。
他のところだったら、普通の耐震補強の工事で終わったと思います。
もともと、私はこの家が好きなんです。それで、山家さんがいらした時に「半壊だから、壊して一人なので小さく建てることもできますよ」と言われたんです。でも「やっぱり、この家が好きだから」と言いました。
だから、工事終わって、この柱も娘が磨いてくれたりして。
娘さん:
磨きましたね、脚立に上って(笑)。嬉しかったからですね。
父を早くに亡くしてから大変だったと思うんです。でも、こういう楽しみも生まれて、これを本当に毎日眺めて、そういう姿を見てるいのが一番良かったですね。山家さんだからできたと思います。
お母さん:
普通だったら、普通の引き戸で終わっていたよね。
娘さん:
楽しく穏やかに暮らしていることが、良かったと思います。
天国にいる父も喜んでいると思います(笑)
安心のレベルが、初めから、求めていた以上にあったので。
娘さん:
おばあちゃんとは面会して話せてないんですけど、手紙には書きました。
「綺麗になって暮らしているよ」って。
主人は、母のことをトシちゃんと呼ぶんですけど、「トシちゃんが嬉しいのが一番。それの役に立てて嬉しい」と言っています。
主人とは、東日本大震災の時に出会ったんです。屋根の葺き替えで、主人が来てくれて、それで結婚したんです。
主人の方から声をかけて(笑)。いいご縁でした(笑)。主人と結婚していなければ、山家さんとも出会えなかったので。
お母さん:
末永く見ていただきたいです。ほんとにご縁いただいて良かったなという気持ちです。
今回の3月16日の地震でもお世話になって。物置の柱が壊れて。
娘さん:
3月16日の地震のときに、山家さんが一人で来てくださって。調べてくれるだけだと思ったら「玄関が開かないんです」と言ったら、「じゃあ、今やっちゃいましょう」とすぐ直してくれたんです。
お母さん:
玄関の引き戸が開かなくて。いつもは、ケイちゃん(娘さんのご主人)が直してくれたんですけど。「これはできないと思いますよ」と言われたんです。
それで、山家さんが心配して見に来てくれたんです。休みなのに来てくださって。「なおんないんじゃない?」と話していたけど、直ったんです。
娘さん:
自分として一番良かったのは、山家さんにお会いできたこと。
30歳になったとき、個人としての成長ってもうないのかな、って思っていたんです。それが、まだまだこんなに自分をアップデートしている人がいるんだっていうのを間近で見て。
私、40歳になったんですけど、自分もまだまだこれからなんじゃないかと思いました。山家さんにお会いしてからです。
山家さんが「役に立たない資格だ」と言っていたんですけど、宅建の資格も持っていらして。そんなに使わないけど、持っている知識というのを柔軟にいろんなことに対応してくれて、その結果、人のためになっているんだなっていうのを目の当たりにして。
自分もそこまでできるわけではないですけど、いい先輩に出会えたという感じがしました。
人生の先輩。こういう人がいるんだなって思いました。まだまだ頑張れる!生まれたばっかりじゃないか!という感じはあります。
お母さん:
孫には「山家さん来るよ」「はなちゃーん、ってくるよ、山家さん」と言ってます(笑)そしたら、大人しい孫も、笑顔になって。ねぇ、はなちゃん(笑)
リフォームの話なのに、リフォームの話じゃないみたいになっちゃいました。
楽しかったです。
山家:
今日は、とても感動的なお話ありがとうございます。
「ジャケット姿の紳士が入ってきて、すごく安心しました」といっていただき、とてもうれしかったです。
わたしの方は、いつ訪問しても、いいご家族だなぁと感じ、しあわせを分けていただいています(笑)
「山家さんと出会えたことですよね」と言っていただき、あらためて、この仕事をやっていてよかったと 強く思いました。
また、「こういう人がいるんだなって思いました。まだまだ頑張れる!生まれたばっかりじゃないか!」と言っていただいたこと、私自身にも言い続けたいと思いました。
これからも「母が『毎日見ているだけで楽しみ』と生活を楽しめるようになったのがとてもうれしいです」と感じていただき、いつまでも幸せに暮らしていただけたら、とてもうれしいです。